『腰椎椎間板ヘルニア』

整形外科疾患について

こんにちは。

整形外科疾患第一弾として腰椎椎間板ヘルニアについて話したいと思います。

整形外科に受診し、腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けた事がある方は多いのではないでしょうか。または、現在腰椎椎間板ヘルニアで苦しんでいる、病院に通院中など…

Twitterでもお伝えした事がありましたが、生きていく上で腰痛を経験する方は80%以上です。人間(二足歩行)と腰痛は切っても切り離せない関係だと思います。

人生80年!これからはもっと長くなるでしょう。日常で出現する可能性が高い病気(疾患)の事を知る事で対策・予防ができると思いますでの、少しだけ時間を頂ければと思います。

注)全ての理学療法士が同じ理学療法を行ってる訳ではございません。【私の腰椎椎間板ヘルニアに対する対応】の項では、数多ある理学療法のすすめ方の一例でありますのでご理解いただければと思います。

どの理学療法士も病気などで身体機能が低下してしまっている方々の生活を支えたい・良くしたいと思い臨床に臨んでいます。

腰椎椎間板ヘルニアとは

概要と病態

椎間板の周りの線維輪が破れて、中心の髄核っていう組織が飛び出した状態の事です。必ずしも症状が出るわけではないのでご心配なく。

手術をする事で短期間で痛みが低下すると言われいていますが、手術するかしないかは議論の余地があると言われています。

*個人的には「足が痺れて歩けない」、「痛くて全く動けない」、「足に力が入らない」、「トイレのコントロールができない」など日常生活動作(ADL)に支障がなければ手術はしなくていいと思います。

年齢を重ねていくと水分量って減りますよね?椎間板でも同じで水分量が減ります。その結果、線維輪に裂け目が生じて、腰痛を引き起こす事があります。

その裂け目が広がったりすると、髄核が飛び出るわけですね。つまり、腰椎椎間板ヘルニアです。なんとなくイメージできますかね?

繰り返しになりますが、症状が出ないヘルニアもありますので突き破ったからといってがっかりしないでくださいね。ヘルニアは診断名であって、症状ではありません。

椎間板の後ろ側には、脊柱管と言って神経が通っている場所があります。これが圧迫される事によって足に痛みが出たり、場合によっては排尿・排便の障害が出現するわけです。

ヘルニアと診断を受けた方が全員神経を圧迫されているわけではありませんので。

一般的な所見

長期間続く腰痛のあとに重い物を持ち上げたり、腰を急に捻ったりする事で、激しい足の痛みが出現する事がある。

初見として重要なのは、『坐骨神経』あるいは『大腿神経』の刺激所見です。

*私の10年以上の臨床経験でしっかりとした神経症状を伴う腰椎椎間板ヘルニアに出会ったのは、4名程です。(少なく見積もって新規腰椎椎間板ヘルニアの数 一日1名×5日×4週×12か月×10年=2,400名=6%)

保存的治療

ヘルニアの保存的治療は安静加療、薬物療法、リハビリテーションが中心です。

  • 安静加療(ベッド上安静は3日以下とすべき)
  • 薬物療法(NSAIDsと筋弛緩剤との併用が有用とされる)
  • 硬膜外ステロイド注入療法は早期での疼痛軽減に効果があるが、中長期的な効果は意見が分かれる。
  • リハビリテーション(牽引療法は腰痛には有効とされるが、腰椎椎間板ヘルニアに限ると有効とは言えない)

腰椎椎間板ヘルニアの手術適応

絶対的適応:

1.高度の膀胱直腸障害(尿閉、尿便失禁)

2.高度の下肢麻痺(膝崩れ、下垂足、爪先立ち不能)

相対的適応:

1.約2ヶ月の保存的治療に抵抗する激しい下肢痛

2.早期に復職が必要な社会的理由

私の腰椎椎間板ヘルニアに対する対応

問診

私の場合、「普段の生活で何かお困りのことはありますか?」と聞く事が多いですかね。そこから話を派生させ、クライアントから多くの情報を引き出すように努力しています。

一緒に参加して頂く事で、信頼関係を築けると思いますし、こちらからの質問だけだと、どうしてもバイアスが入る可能性もあります、また高圧的にみられる事も増えますからね。

問診の時点で、困っている事に対していくつ仮説が出せるか。これがポイントだと思っています。可能性を出来る限り抽出し、評価で除外していく。

残った可能性に対して介入し、また評価して除外する。これの繰り返しが理学療法(リハビリ)だと思います。

熟練者(エキスパート)と新人の一番の違いは、これを行うスピードと回数が桁違いです。新人が1つやっている間に、エキスパートは3つ5つ程仮説を解決していると思います。

問診の時点で良く出来るかそうでないか決まると言っても過言ではありません。皆さまも問診の時点で何か疑問点があった場合は気を使わず、どんどん質問して下さい。

 

私が聞く事、

  1. いつから痛むか?
  2. きっかけはあったか?
  3. どこが痛いか?
  4. どのように痛いか?
  5. 今までに同じような症状が出た事があるか?
  6. 夜は眠れているか?
  7. 強くなる事(時)・弱くなる事(時)はあるか?
  8. 痺れ・感覚低下はあるか?
  9. 仕事内容・運動習慣
  10. 手術した事・入院した事があるか?
  11. 他の病院に通院しているか?(内科・心療内科など)

などは、最低限確認するようにしています。

*教科書的な内容かもしれませんが、大切なのは『その情報から何を想像し仮説を立てるか。』です。

理学療法評価

評価というのは、主観的評価客観的評価の2種類があります。

繰り返しになりますが、問診から得られた仮説を、主観的・客観的に評価する事で仮説を否定し理学療法を進めていく。これが大切です!

医療に限らず昨今、『エビデンス』が重要だと言われています。エビデンスに使われるのではなく、使う側にいたいですよね。

主観的評価と客観的評価では、客観的評価が重要とされる事が多いと思いますが、個人的にはどちらも至極重要だと思います。最近は、客観的評価の中での主観的評価が最も重要だと感じています。

どんな『物理的ストレス』が働いているかを主観・客観的に評価すると、その後の介入時に役立ちます。

評価項目(主観的評価客観的評価

  • 姿勢(座っている、立っている、寝ているなど。できたら痛みが出る姿勢を見れるといい)
  • 動作(歩行、寝返り、立ち上がりなど。出来たら痛みが出る動作を見れるといい)
  • 関節可動域(どれくらい腰が曲がるか、足がどれくらい動くかなど。開始の位置から終了の位置までの間どのように動くか。)
  • 筋力訓練(どれくらい力が出るかなど。力を入れる際にどのような姿勢で行うか。)
  • 腱反射・感覚の検査(感覚検査は主観・客観両方の要差があるかもしれません。)
  • 整形外科テスト(基本的には整形外科医が行いますが、理学療法士も行います。)

これらが中心になりますが、あとは理学療法士の経験やセンスによって評価数などが変わると思います。

問診の時点である程度目星をつけた所を、確認していくものが評価だと思います。痛みが出る・症状が出る動作・姿勢などがあれば、その動作・姿勢を分析したり、関節の可動域・筋力を評価する事で問題点・『物理的ストレス』を抽出する事ができるともいます。

腰椎椎間板ヘルニアの評価で大切なのは、『神経の評価』です。つまり、運動神経・感覚神経の評価を行う事です。

ヘルニアによって、神経(運動神経・感覚神経)が圧迫されていないかを評価します。打鍵器などを用いて評価する事が多いですかね。

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この評価結果により、椎間板ヘルニアの診断名はついているが、それによって症状は出ていないなどを評価する事が出来ます。

ただし、ヘルニアがある場所には何かしらの『物理的ストレス』が加わってはいます。 それを他の評価でも確認し原因を追及していく事が大切です。

ヘルニアというのは診断名であって症状ではありません!

ヘルニアという診断名を否定する気は全くありません。ヘルニアによって出現する症状は、ヘルニアが起きているところから出ている神経が支配している筋肉・感覚神経が障害を受けます(もちろん全てではないですが、殆どがそうだと思います。)ですので、自分で敵(ヘルニア)を大きな存在にしないようにしましょう!

理学療法にてヘルニアをなくす事はできませんが、ヘルニア部位への過剰な物理的ストレスを軽減させる事で症状を改善させる事ができると思います。

理学療法介入

正直介入は何をやってもいいと思います。(理学療法の範疇で)

理学療法士って何者??

 

ここに行き着くまでが間違えていなければ、必ず症状は良くなると思いますので。

若手の理学療法士は、介入技術が違うから結果が違うと勘違いしていますが、大間違いです!介入に至るまでのプロセスに違いがありますし、そこに経験の差が現れます。

色々な可能性を加味し、仮説をたて評価をしていくと、仮説がなくなり改善していきます。もしくは維持していく事になります。

私は、理学療法士は身体を正常に戻すのが仕事でなく、今の生活環境を維持・改善する為にお手伝いをする事が仕事だと考えています。

壊れたもの(関節など)を治すのは、整形外科医による手術です。壊れ始めている組織に余計なストレスを与えず生活に復帰してもらうお手伝いをするのが理学療法士だと考えています。

私が行う理学療法は、姿勢を修正する事により腰椎にかかる『物理的ストレス』を減少させ痛みの改善を目指し、その状態を維持する為に関節可動域・筋力が効率的に使える姿勢にする。

つまり、相互作用が絶対必要!どちらかだけ良くなっても身体環境は変わりません。と思っています。

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最後に

簡単ではありますが、腰椎椎間板ヘルニアについて説明しました。

今後も『腰椎椎間板ヘルニア』についてアップデートしていきますのでよろしくお願い致します。

腰椎椎間板ヘルニアのエビデンスとかも紹介できればと思いますのでお楽しみに!